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FUNAN フナンのhasseのネタバレレビュー・内容・結末

FUNAN フナン(2018年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

○「まだ私には哀れみを受けない自由が残されている」(チョウ)

カンボジアのクメール・ルージュによる国民大虐殺の歴史を題材とした、アニメ作品。90分弱の尺とは思えぬボリュームのあるストーリーが展開される。革命軍による搾取と暴力からはじまり、貧困と飢えが長期化すると、隣人同士、家族同士で反目しあったり、仲違いしたりして生活も心も荒んでくる様子が容赦なく描かれる。

主人公の夫がチョウの背後から首筋にそっと息を吹き掛けるのは何か文化的な意味があるのだろうか。
ラスト、タイへの国境を渡る際に妻子と別れた夫は警備兵に撃たれ(おそらく)命を落とす。遠くの銃声を聞いたチョウは涙するも、背後の森から突風が吹き付けてチョウに前進することを促す。死んだ夫が息を吹き掛け、強く押し出すかのように。
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