竜どん

Mank/マンクの竜どんのレビュー・感想・評価

Mank/マンク(2020年製作の映画)
3.8
待ちに待ったりフィンチャーの最新作。…が、彼特有の革新的な作りはあまり感じられない。
映画史上名作中の名作と謳われる『市民ケーン』。それ自体新聞王ハーストをモデルとした半伝記的映画であるが、その脚本家の伝記的映画である本作が本家を模して作られているのが面白い。
モノクロ映像・モノラル音声・音楽・カメラワーク・照明・台詞回し・交錯する時間軸・チェンジマーク等々タイトルバックからエンドロールまでクラシカルムービー『市民ケーン』へのオマージュと遊び心に溢れている。
ただ『市民ケーン』鑑賞は必須、世界恐慌真っ只中のアメリカ情勢、MGM・オールドハリウッドの歴史的背景も識っておかないと置いてけぼり指数100のマニアック作品。
フィンチャーのこの時代への映画愛は多分に感じ取れるものの、気軽に手を出すと火傷します。私はゾクゾクされっ放しでしたけど、人によっては退屈な作品なんだろうなぁ。
これが映画の魔法ってやつだよ。
竜どん

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