かんやん

Mank/マンクのかんやんのレビュー・感想・評価

Mank/マンク(2020年製作の映画)
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デヴィッド・フィンチャーの作品は、話題作が多いせいかほとんど観ているのに、とくに感心したことがない。

本作は、『市民ケーン』の脚本家マンキーウィッツが、あの名作のシナリオを書き上げるまでの話をフラッシュバック(ハリウッドの内輪ネタみたいな)を挟みながら描く。脚本は監督の実父なわけで、息子としては念願の企画なんでしょうけど、とくに脚本家としてをキャリアを築いた方ではないようだ。

冒頭から往年のハリウッド映画のようなモノクロームで、なかなか凝った映像だなと思うが、すぐに慣れる。

なんだろう、主役のマンクことマンキーウィッツに魅力が感じられない。酔いどれ作家の紋切り型から一歩も出ていないような。

さらに新聞王ハーストにせよ、その愛人にせよ、通り一遍の造形で、それだけに題材の難しさを感じるけれど、そもそもこれらの人々に監督や脚本家は本当に通り一遍以上の興味を抱いているんだろうかと首を傾げる。カリフォルニア知事選のサブプロットもなんか平板だったなあ。

新作がNetflixに来るので、そちらに期待。
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