延々と歩く

Mank/マンクの延々と歩くのレビュー・感想・評価

Mank/マンク(2020年製作の映画)
3.2
 アル中脚本家が歴史的名作「市民ケーン」をかき上げるまでのお話。監督は「セブン」「ファイトクラブ」のデヴィッド・フィンチャー。

 ストにゆれる撮影所やら世相をあやつる権力者やらと出会ううち、主人公は自身の才能をもって彼らとの一騎打ちをはかる。

 40年代アメリカ・ハリウッドの知識がないと分かりにくいとの評判きき、でもアプトン・シンクレアは「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」みてるしイケるでしょと甘くみてたら全然イカれんかった(「ゼア…」はシンクレアの取材を原作にしている)。

 フィンチャー氏の関連作だと「ハウス・オブ・カード」もこんな感じだったんだよなー。町山智浩さんの本で現代アメリカの政治事情とかオレめっちゃ詳しいし、と思ったら全然アカンくって落ち込んだ。

 まあ「政治」なんてメンドくさい題材ではあるけど。説明してる時にこちらの政治思想を尋ねられ議論に発展とかなりかねないし。きっとフィンチャーも言葉足らずになってアタシに申し訳なく思っている…はず。

 まあ知識なくとも感じるものがある、真摯に作られた映画なのは間違いない。

 ルックスも華やかさもスゴイけどいまいちスクリーンに馴染まない感のあったリリー・コリンズがすんなり収まっているのも良かった。モノクロ画面に彼女のイノセントな雰囲気がピッタリなんだよねー。主演・プロデュースを務めた「エミリー、パリへ行く」を大ヒットさせてからは実業家という感じで、見た目もアパホテルの社長さんみたいだが。そっちの方が向いてるのかも。
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