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モータルコンバットのsomaddesignのレビュー・感想・評価

モータルコンバット(2021年製作の映画)
3.0
真田広之を浴びる
一人だけ格の違う人が混じってる感

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人間界と魔界が互いの支配を賭けて戦う

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長年の友人が「せっかく真田広之がハリウッド映画でアクションしてるのに、動員が伸びてなくて悲しい」と嘆いていたので、慌ててみに行った。

元々の対戦格闘ゲームは知ってたけど、こんなあらすじだったのか。2D絵の格ゲーが主流の中で、実写映像を取り込んで血しぶきをあげるスタイルは斬新だった思い出。子供の頃何度か手を出してみたけど、自分には操作が難しすぎて死んだ。「これだから洋ゲーはww 作りが雑だわww」って自分の腕を棚に上げて冷ややかに笑ってた。

1995年の映画版未見。のちにミラジョボと結婚するポール・W・S・アンダーソン監督作としてお馴染み。一応当時の予告編をチェックしてみたら素晴らしいB級感で良かった。よくこれをリブートしようと思ったな…という気もする💧

2000年代も20年を超えたのに、ちゃんとB級感バリバリ。80年代風味がたまらない。「カン・フューリー」から狂気を薄めて、1000倍お金かけたらこうなった感じ。中国と日本の区別が曖昧で、いっしょくたにされてる具合も一周して懐かしい。忍者なのに縄鏢使ったり、血統で言えばコールの娘は狙わなくていいのか?とか疑問はいっぱいあるけど、細けぇことはいいんだよ! 困ったらぶん殴れ、もしくはソープへ行け!の北方謙三の人生相談スタイルっちゅーのか、やたらめったら力技で物事が解決される快感を浴びるがキチ。友達集めてビールとピザを囲みつつ、ギャーギャー騒いで見るのがいい。

ゲームの必殺技(トドメ演出)「フェイタリティ」ががちゃんと再現されてて面白い! 調べたら、鉄の笠を電動丸ノコ状に高速回転させて敵を真っ二つにする技がホントにあって笑った。YouTubeでゲーム版のフェイタリティ部分だけを集めた動画をいっぱい見てたら、グロテスクな殺害描写のバリエーションの多さにちょっと引く。背骨引っこ抜いたり、人間がスライスされたり… ゲームの残酷描写ってすごいレベルに来てるのね。


ツッコミどころがそのまま映画の魅力に転化して見えちゃう。
まず主人公コールの理解が早すぎて笑う。初対面のオッサンがぶっ飛んだ説明してるのに一瞬で納得。訳も分からず砂漠に放り出され、意味不明なトコで修行させられても疑問ひとつ、愚痴ひとつ言わない。ある意味いい奴すぎる。(軽装すぎてコンバット以前に砂漠に殺されそう)


兎にも角にも真田広之がカッコいい。忍者役って若い頃の「忍者武芸帖」以来じゃなかろうか? 還暦とは思えない身のこなし、暴力や武術でなく、確実に殺しにいってる一撃必殺っぷり。この人がホークアイに負けたのが納得いかない。
もし続編が作られるなら、千葉真一との熱い共演が見て見たい! なんなら息子・真剣佑がハンゾウの別血統で出てきてもいいし、志穂美悦子や倉田保昭がカメオ出演するといいのに……。

ハリウッド制作の大作ジャンル映画として、望外の面白さだったので大納得の星みっつ。


39本目
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