おーもり

ソー:ラブ&サンダーのおーもりのレビュー・感想・評価

ソー:ラブ&サンダー(2022年製作の映画)
3.2
ひとくち一口のキレは良いのにトータルでみると、何の感慨も残らない。
ソーの物語としては完結するわけでも無く、繋ぎの話のようだ。そしてMCUの大きな流れとしては、何の前進もしていない様に見える。
つまり微妙な感想を持った。

お馬鹿なノリや、爽快な乱戦は楽しくて良い。
ジェーンの新生マイティ・ソーのビジュアルや、ムジョルニアでの新戦法はとっってもフレッシュでアガったんだけども、よく分からん雑魚相手に似たようなシチュエーションでドッタバッタしている印象に。
何よりダラダラ会話したり、観客は知ってる話を何回もするのやめてくれませんかね。
今回のぽっと出のゴアというヴィランも、その力を手にした経緯も心情もわかるが如何せん唐突過ぎるし、ソーとの因縁も無いし思い入れはない。

Wソーとゴア、それぞれが自身を象徴するような武器を携えて戦う構図は熱いな!と思ったら、割り込んできたライトニングボルトという何でも有りなスペシャル武器。
”神”の肩書きを持つ敵とか道具ってルールがすごく曖昧で都合が良すぎる。
めちゃんこ強いんだって散々語られる。そのくせに具体的にはどんなルールのもとにそのパワーを使っていて、何が致命傷になるのか曖昧なままバトルが始まって、なんとなく勝つ。DC作品でもありがちだ。
アイアンマンとかキャップとか、人間のスーパーパワーを持つヒーローは基本人間のルールに乗っ取る。
でもソーとか、ゴアとか、その他色々出てきた神様たちはよくわからない。概念的な存在であるかのように説明されるのに、実際は地球人より強い宇宙人って感じの扱いだ。
その場の勢いで勝った負けたやっていくと真面目に見るきも無くなりいつか破綻しそう。
神様集会みたいな星が出てきたけど、あの煽り運転で激コワな怪物ストーカーを演じていたラッセル・クロウが弛んだゼウスで、スカートひらひらしながら階段下ったのは笑った。
会場外に、エターナルズのアホみたいにデカいセレスティアルズが居た気がしたのだが、そんな気軽にカメオさせていいの?

Phase4は今のところ、風呂敷がどんどん広がっていく。その割に、その端々がなんにも繋がっていないように見えて1枚の風呂敷に見えない。
畳んだときにバラバラでくっちゃくちゃになったり、無くしたままの布が出てきそう。
そりゃこれが全部きれいに畳まれて一つになったら気持ちいいので、そろそろ折り目くらいは見せてほしい。