はるな

ソー:ラブ&サンダーのはるなのネタバレレビュー・内容・結末

ソー:ラブ&サンダー(2022年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

映像も迫力があってでかいスクリーンで観る分には料金分の元は取れる、充分楽しめる面白い映画だったと思います。面白かったけど、良いところも悪いとこも両論併記という感じ。一時期の出す作品出す作品が漏れなく超絶ハイクォリティだった頃から考えると『エターナルズ』『ソー ラブ&サンダー』と、手放しで「良い」とは言えない作品が続き、「マーベル=ハズレ無し」の法則に早くも翳りが・・・?『メリダとおそろしの森』『カーズ2』等の微妙な作品を出していた頃のピクサーみたいに停滞期に入ったのか、分かりませんが。とはいえそんな状況でもサム・ライミみたいな確かな実力を持った監督が大立ち回りを見せてくれれば、マーベルの最低限のクォリティを担保する力と噛み合って結構良い出来の作品も出てきますんで今後はそういうとこに期待しますかね。ジェームズ・ガンも控えてることですし。さて今作の監督タイカ・ワイティティですが、本作では彼の悪い癖が目立ってしまった印象でした。本筋と関係ないギャグ要素がやたら長く肝心のドラマ部分にも侵食してきていたり、同じ音楽を劇中何度も使って(前作『ラグナロク』の『移民の歌』、今作ではガンズの『sweet child o mine』)肝心の アゲ シーンをイマイチ盛り上がりに欠けさせたり [歌詞や文脈を踏まえた使い方もジェームズ・ガンと比べると雲泥の差] 等々...かなり文句が沢山出てきそうなのでこの辺にしますが、というのも前述の悪癖程度の問題は普通のギャグ多めコメディヒーロー路線であれば気にならなかった点だと思います。ラッセル・クロウの出オチ感とか好きなところも結構ありました。ここまで悪目立ちしてしまった原因はヴィラン ゴア“ザ・ゴッドブッチャー”の存在にあります。彼こそが今作最大の魅力であり、良かっただけに神への不信、そこに反逆の神ソーがどう立ち向かうかというお題目が面白そうだなと期待していました。なのに・・・。本作では物語がそういった面白い方向に行きかけそうな時に限ってギャグをブッ込んできます。ハズしのつもりか照れ隠しか、脈絡がなく安易な目先の笑いを取りに来るのでイチイチ話は止まるうえ、そういう安易なギャグではキャラクターを好きになり心の底から応援することは出来ません。ギャグ演出に割いた時間の要らない部分を削ってゴアの描写を描いて欲しかったし、そこでこそ逃げずにしっかりキャラクターの痛みと悲しみをこそ描いてきたことがマーベル最大の魅力であったはずです。
まあしかし、文句言いつつも新作が公開されれば強い期待を持って劇場に足を運ぶんでしょうね。ファンなのでしょうがないところですね、今まさにマーベルへの信仰心が試されているのです。頑張りましょう。血を吐きながら続ける悲しいなんとかですよ...。

❮どうでもいいこと❯
・見た目めっちゃ普通の人間なのに顔に刺青を入れただけで「宇宙人です!」ってデザインどう?『ガーディアンズ~』とかもそういうとこあるけど。

・ジェーンソー最高!カッコいい!ヴァルキリーと並んだときのデカさが良い!肩幅!

・エンドクレジットで次回作への布石として新キャラ出すのはいいけど、次に彼が出てくるのはいつ?『ガーディアンズ~Vol2』のラストのアイツとか、もう5年も前なんですが...

・ソーシリーズの肝はハンマーとか斧を振り回すときのSE。重量感あって格好良い。

・「マーベル=ハズレ無し」と言いましたがこれは結構最近の話で、具体的には2015年くらいから数年間に公開された諸作品のことです。それ以前から微妙なのは何本もありますわね。
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