ぜる

ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバーのぜるのネタバレレビュー・内容・結末

4.4

このレビューはネタバレを含みます

開幕でボロ泣き。
ここまで登場人物、キャストや制作陣、そして作品を受け取る側が同じ悲しみを抱いてる一本は他に無いんじゃないか。
それだけチャドウィック・ボーズマンも愛されていたしティ・チャラも愛されていたんだなというのがひしひしと伝わってきた。

mcuは若者に色々と背負わせ過ぎ。シュリの気持ちを考えると物悲しくなる。
一年で大切な人を二人も失うとかやってられないよな…

新ブラックパンサーの登場もアイアンハートのお披露目も格好良かったんだけど、全体的にしっとりとした雰囲気なため今ひとつ盛り上がりに欠ける。カーチェイスのシーンは前作同様良かったかな。
シュリの動機が復讐なのも相まっていまいち気持ちが乗り切れなかった。

めちゃめちゃ良かったのはエムバクの立ち位置。ティ・チャラ陛下とは戦友のような関係だったけど、シュリとはまた違った関係を築いていくんだろうな。
亡くなる前に陛下と約束交わしてたのとか泣いちゃうよそんなん…

まさかのキルモンガー登場。シュリからすればキツい発言はあったものの、陛下のことは一切貶さず、その在り方や気高さを評価してるのいいですよね。戦いとか最期のやり取りとかを経て互いに認め合ってるの好き過ぎる。
その後のシュリの決意と、銀ではなく金のスーツを選んだことで陛下とは違った道を行くという意思表示もとても良かった。
でもキルモンガーと違ったのはシュリには寄り添ってくれる人々が沢山いたんだよね。だから最後に人の道理を踏み外さずに済んだ。個人的には大変ツボです。

悪役のネイモアも魅力的だったな。やっぱり芯を一本持ってるキャラは素敵だ。まぁ悪役というか今作はどっちの正義を突き通すかっていう話なんだけど…
でもまだ腹に一物抱えてる感じなのが若干不穏ですね。今後どうなっていくんだろうか。

復讐心に駆られてキルモンガーと同じ道を往こうとしたシュリだけど、最後には母と兄のことを思い出して気高く在ることを選んだ。
決して陛下やキルモンガーの生き写しという訳ではないけど、両人の遺志を継いでいるみたいでとても素晴らしいと思います。
シュリはああ言ってたけど彼の主張もまぁ100間違ってるとは思わないので…

ともあれ故人へのリスペクトと哀悼の意に溢れた素晴らしい作品だったと思う。
「Wakanda Forever!!!」
ぜる

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