ヤッター

ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバーのヤッターのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

早起きして前作を見返してから映画館に行きました。そのことを、今ではとても後悔しています。
ティチャラ王がこの世にあふれる困りごとに対して希望を与えてくれるかもしれない!
そんな希望にあふれたEDから5年。あの時、誰がこのような世の中に、このような事態になっていると予想しただろうか。ただ悲しさが増すばかりでした(同時に、RRR見て喜んでちゃいかんなとさえ思ってしまいました)。

本作が悲しみを共有する作品になるのだろうと予想はしていたのですが、それ以上に強く感じたのは「喪失による混乱」でした。前作であれほどたくましく、凛々しく感じたキャラクターたちが、目の前の事態に振り回され、右往左往し、道から外れそうになる姿なんて、見たくはなかった。ノーウェイホームとかアントマン&ワスプみたいに、主人公側の過失によって最悪の事態が発生するお話は嫌なんです。特に、前作で成長を遂げたであろうヒーローが続編でそのようなことになるのは、尚更嫌なんです。シュリが金のパンサーとなって復讐にはしるのも、ティチャラがシビルウォーで乗り越えたところに戻ってしまってるようで、残念に思いました(とはいえここでキルモンガーを出す演出には痺れました)

ともあれ、その辺のことは作り手だって百も承知で、意識的に使ってるのだろうとは思います。現実に国家間での戦争が発生してしまった今、振り上げた拳をいかにして収めるか、何をもって自分にブレーキをかけるのか、それを完全無欠などではない、我々と地続きの感覚をもった登場人物が示して見せるということには意義があるのだとは思います。思いますが…見たかったのはコレじゃないんだよな〜!!っていうのが本音です。
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