somaddesign

ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバーのsomaddesignのレビュー・感想・評価

5.0
難病により国王ティ・チャラを失い、悲しみに暮れるワカンダ。ティ・チャラの母・ラモンダが女王となり、悲しみを乗り越えて新たな一歩を踏み出そうとしていた。しかし、ブラックパンサーが不在を好機と見た大国によって、ワカンダの希少な資源(ヴィラニウム)を巡る新たな戦いが始まろうとしていた。

:::::::::::

チャドウィック・ボーズマンこと先代ブラックパンサー:ティ・チャラ国王の追悼と愛、継承を描いた160分。鑑賞前は上映時間の長さに二の足を踏んでいたけど、見始めたらあっちゅーまだった。映画の中と外でティ・チャラ王とチャドウィック・ボーズマン両方を悼むメタい構造だけど、20年後くらいに映画の外の事情を知らない人が見たら、どんな感想を持つんだろうか?

暗く重い、解決不能な問題ばかり提示し続けるMCUフェーズ4の最後を飾る作品らしく、いよいよ来るとこまで来た感じ。
もはやヴィラン不在。それぞれの正義が違うだけで、互いの折り合いをどうつけるのか(ていうか武力の前に話し合えと。とにかくまずは話し合えと思う展開が多かった)

ワカンダにしろタロカンにしろ、どちらも武力行使の動機が他国からの侵略の恐怖だったり、されたことへの復讐って点で共通してるのが面白い。戦争に正義も悪もねえ感じ。始めないのが第一で、始まっちゃったらなるべく早く平和的に追えるしかない。

次世代型ヒーロー像。男勝りでも名誉男性でもない。
現代のプリンセス像でヒロインの在り方を問い直す着地も良かった。
血脈に縛られない着地のおかげで、次の王位がどうなるのかあやふやな終わり。意外に王制を捨てて議会制民主主義の国に変貌したりして。


69本目
somaddesign

somaddesign