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ハリエットのcatmanのレビュー・感想・評価

ハリエット(2019年製作の映画)
4.0
自らが奴隷の出身であり奴隷解放運動家として偉大な功績を残したハリエット・タブマンの伝記映画。深い信仰心をベースに不屈の闘志と実行力を持つ身長150cmほどの彼女の事を私は今まで知らなかった。アメリカ国内の歴史においてこれほど重要な人物がなぜ2018年まで映画化されていなかったのだろう。オバマ政権下でアフリカン・アメリカンとして初めて彼女を20ドル紙幣に印刷する計画が発表されたものの、トランプ政権になって棚上げされ、バイデン政権下になった現在ようやくその手続きが再開されるという Why American people!!!!

映画は割とオーソドックスな作りなので安定感はあるものの突き抜けた演出や映像には乏しい。ただそれでもハリエット自身の凄まじい生きざま(を熱演する女優)に否応なく惹きつけられる。劇中では割とソフトな表現も、実際にはもっともっと苛烈な体験があった事は想像に難くない。ということで一番の見どころは主演のシンシア・エリヴォ。エンドロールで聴かせる歌声も素晴らしい。また秘密組織の一員という重要な役どころを演じる俳優がハンサム&ノーブルで見覚えがあるなと思ったら『あの夜、マイアミで』のサム・クックだった。この人は良いな!それと、ハリエットを現場でサポートする青年の俳優が若い頃(Jacksons時代)のマイケル・ジャクソンにそっくりに見える瞬間があって、ちょっとテンションが上がった。ジャネール・モネイが相変わらず美しくてカッコいい。
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