Sanald

ハリエットのSanaldのネタバレレビュー・内容・結末

ハリエット(2019年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます


大学時代、アメリカの黒人史を学んでいた身で、しかも「地下鉄道」に関してゼミ論を書き卒業したため、この映画の内容はまさに興味のど真ん中であった。

主演・シンシア・エリヴォの歌声を東京で聴いたことがあり、そのときから彼女の歌の虜。鳥肌と涙が止まらなかったあの経験から、今回もきっと素敵な歌声を聴かせてくれるんだろうなと期待していた。

内容については、当時の黒人奴隷がいかに辛い道を歩みながら北へ逃亡を図っていたのか、あまり細かな描写がなく、実感が湧かないままハリエットが強くなってしまい残念。
その点では「それでも世が明ける」などがより詳しい。
とにかく、160km、命辛々逃げたというのに、その描写が薄すぎて「なーんだ、簡単じゃん」と思われかねない。

奴隷主ダグラスの複雑な感情も
もっと描かれればよかったなと思う。
彼が独身で、いつまでもメンティを探し続けているのは、彼がとんでもなく深い好意を彼女に抱いているからに他ならないのだが、ここまで到達する過程が描かれていないので、どうしてそんなに彼女のことを愛しているのかさっぱりわからない。


黒人奴隷が当たり前のこととしてまかり通っていたあの時代を描くには物足りないが、
あの時代、奴隷を救おうと懸命に努力した1人の女性がいたことを知ってもらうにはいい機会なのではと思う。(詳しくは自分で調べなきゃいけないけど)


最後に。
エンドロールで立っちゃダメですよ。
シンシアの歌声を聞いてください!!
Sanald

Sanald