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ハリエットのakaneのレビュー・感想・評価

ハリエット(2019年製作の映画)
3.6
「自分には自由か死のどちらかしかない」と言った彼女は、自由を求め家族を失った。
結局、どの選択をしても何かを失わなければならなかったなんて、こんなに悲しいことがあっていいのだろうか?

彼女が所属した奴隷解放組織「地下鉄道」の中で、奴隷である苦しみを直接分かっている者は少ないのだろう。
1600kmの亡命の手助けが必要な時、組織のメンバーはあまりの距離に尻込みしたが、彼女は、どんな方法を取ってでも亡命させる以外に選択肢はないと断言した。
1600kmググってみたら、青森県庁から山口県庁までと。
自由を手に入れられるのなら1600kmの移動など問題ではないのだ。
彼女らの絶望の大きさと、ハリエットのとめどない正義感が伝わってきて、なんとも言えない気持ちになった。

この歴史を深く知らずに生きてきた30年間を後悔。
2時間弱では全然収まっていない。
後半のパートでもう1本作ってもいいんじゃない!?
彼女の晩年も気になるので、まとめ方がやや残念ではあるが、無知な私は観るべき映画だったと感じた。

同志を呼び寄せるあの美しい歌声で、楽しい歌を歌ってほしかったな。

2020年20本目
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