ちゃわん

ルイス・ウェイン 生涯愛した妻とネコのちゃわんのネタバレレビュー・内容・結末

3.7

このレビューはネタバレを含みます

ルイス・ウェイン 生涯愛した妻とネコ

https://louis-wain.jp

ルイス・ウェイン、擬人化された猫の絵を描いた人
のイメージしか無かったけど、この伝記映画を見たら、知らなかったことがいろいろわかりました。

何をしても上手く行かなかった、生きづらさを抱えているものすごく不器用なお坊ちゃん(後に統合失調症を発症) が主人公。

妻となる女性との出会いも、家庭教師として家にやってきたオールドミスで、当時の階級社会のイギリスではあり得ない選択肢だったそうです(その辺はエマの世界ですよね)

何をしても上手くいかなかったルイスですが、闘病中の妻を励ますために描いた擬人化した猫のイラストが大ヒット!
絵本作家として地位を築くことにはなりますが、契約などの事務がまるでできないので、信頼していた元編集長が亡くなった後は結局騙されたりして、生涯お金には恵まれなかったそうです。

統合失調症の発症後は、一文無しとなり数年間は貧民向けの病院に入ることになりますが、そこでたまたまファンに発見され、募金が募られて王立病院に転院し、最後は猫に囲まれて幸せの中で亡くなったそうですが、自分も生きづらさを抱える、何をやってもうまく行かない人間なので、けっこう感情移入して見てしまう部分もありました。
戦争や最愛の人の死に翻弄される主人公の運命は辛いものがありますが、最後は比較的ハッピーな終わり方だったのが救いでしょうか。

主人公はベネディクト・カンバーバッチの熱演でした!
特殊メイクで再現した老年期の姿は技術もスゴかったです。

公開館も少ないですし、それほど話題になっている作品ではありませんが、ぜひ映画館で見てもらいたい作品です。
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