紅梅シュプレヒコール

ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジの紅梅シュプレヒコールのレビュー・感想・評価

3.5
マーベルコミックスの大人気ヴィランを主人公にした「ヴェノム」シリーズ第2作目

前作で親交を深めたかに思えたエディとヴェノムだが、些細なことで仲違いをし絶交状態に、そんな中で殺人鬼クレタスはシンビオートを身体に宿し“カーネイジ”と名乗り大殺戮を繰り返すことになる今作

多くのファンが待望していたカーネイジの登場ということで期待値は非常に高かったのではないだろうか

カーネイジが一体どのような大殺戮を見せてくれるのかと残虐性を期待していたファンには物足りなさを感じてしまうほど大衆に寄った作品になっており、キャラクターの持つユニークさが薄くなっている点には賛否が分かれそうだ

脚本も良く言えば王道、悪く言えば特別さを感じられないものになっており、クセはないが熱中できる程の魅力もない作品になっているのは、折角クセの強いキャラクターを扱っているのにと惜しく思う

良いところも勿論あり、約90分という短尺で収めていることで気軽に観れるのは有り難いし、今作のキーポイントであるカーネイジのデザインも格好良く(さすが田島光ニ!)、彼が出ている場面には胸が躍った

監督が「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズのゴラムや「猿の惑星」シリーズのシーザーをモーションキャプチャーを用いて演じていたアンディ・サーキスということもあり、ヴェノムやカーネイジの動きは見応えがあったし、戦闘シーンも前作ほど視認性の悪いものになっていないのはかなりの美点

要所要所で心惹かれるショットもあり、ビジュアル面では楽しい作品だった