れおん

hisのれおんのレビュー・感想・評価

his(2020年製作の映画)
4.0
どんなに人生が険しくても、長生きをする。ただ愛する人を愛し続け、自分の周りの世界の人の幸せを祈る。

LGBTQ。差別の対象となりうる、現代社会に蔓延る大きな問題。
同性愛者と異性愛者には、難攻不落の軋轢がある。
『好きだけでは、どうしようもない。』
社会が「普通」とは別のカテゴリーに、どうしても寄せてしまう。

迅と渚のベットシーンからはじまる。
「普通」の価値観を持つ自分は、心のどこかで受け入れがたい感情になり、目を背けてしまう場面も多い。
しかし、ここに生きる登場人物は、皆温かい。生きるうちに、ただ愛を持って生きることの大切さ、その温かさに気づいた人々の世界はなんとも美しい。好きな人を好きと言える世界。そして、人間の温かみを知れる世界。

今泉監督の作品を見るたびに、散歩をしたくなる。散歩をして、近くの牛丼屋かラーメン屋に立ち入り、温かいご飯が食べたくなる。
となりに座った人の人生を考えると、ちょっぴり幸せな気持ちになれる。
れおん

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