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禁断の惑星のSPNminacoのレビュー・感想・評価

禁断の惑星(1956年製作の映画)
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もちろんこっちが元祖だが、有名なロボットはロボコン、美術セットが小松崎茂作画っぽく見えてしまう手作りの空想科学ビジュアルが味わい深い。大工さんが建てたような宇宙船、ロボットは中の人がよちよち歩き、光線銃がピロピロー、足音がポワワーンポワワーンって。遥か彼方の惑星でも普通か!とズッコケたけど、ホログラムとか巨大高層コンピュータ?とかの特殊撮影は良かった。
お話は異星に居着いた科学者がカーツ大佐になってたり、遊星からの物体Xやエイリアン他の原型とも言えそう。でも、当時の価値観に基づいた脚本は案の定今観るとかなり酷い。いや船長レスリー・ニールセンという時点で、別の意味でダメだこりゃと思ったが。
まず、セーラー服を元にデザインしたようなクルーの制服からして軍隊を模している訳で、船長(隊長)から若い調理兵までホモソーシャル。若い娘を見れば即セクハラ、最終的には彼女を戦利品として(強制じゃなく愛に目覚め自ら合意したことにして)持ち帰るのだ。地球の常識は教えて守ってやるから故郷の星より地球に来い…って何様か。植民地の同化政策か。うげえ。
アルテア星人の高度な文明も行き着くところは破滅…とはいえ、あっちの方が羨ましい世界に見えたし帰りたくないのもわかる。地球人もあんな宇宙の彼方まで行けるほど科学が発達してる訳だけど、未来はどんな風になってる設定なんだろうね。
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