ジャイロ

スミス都へ行くのジャイロのレビュー・感想・評価

スミス都へ行く(1939年製作の映画)
4.2
人民の人民による人民のための政治

理想を追い求めるのがフランク・キャプラ監督で、この映画では、そんな監督がアクセル全開にして踏み込んできました。

ジェームズ・スチュワートが主演してますが『桃色の店』の頃なので、その若さは折り紙つき。スラっとしていてシュっとしてます。女の色香に惑わされる演技なんかは、なんだか不慣れで観ていてフフっとなります。


この映画、脇役がいいんですね。

『ポケット一杯の幸福』『素晴らしき哉、人生!』のトーマス・ミッチェル

一度聞いたら忘れないこのハスキーボイスは酒焼けし過ぎなんじゃないの?『レディ・イヴ』『天国は待ってくれる』『上海特急』など多くの作品に出てるユージーン・ポレット

姑息な小悪党なら安心して任せられる『一日だけの淑女』『四十二番街』のガイ・キッビー

この脇役たち、クセがすごい

逆に言えば、いい味でてるんですよこれがまた


前半は、なんだか恋に落ちる瞬間のキラキラした感じくらいしかみどころがありませんでしたが、そこはフランク・キャプラ監督、楽しい後半をちゃんと用意してくれてました。安心感あるなあ…

それにしても…

議長www

ハリー・ケリーの役どころが、これまたかなりのアクセントになります。

楽しくなってきた

この議長のキャラ、大好きです

終わらせ方がまた粋なんですよね

色々と蛇足になりがちな事の顛末を、ぜんぶひっくるめて観客にぶん投げてくるこのやり方、嫌いじゃない。

余韻すら楽しめるキャプラコーン、甘ったるくて大好きです(いい意味で)。