ハレルヤ

スミス都へ行くのハレルヤのレビュー・感想・評価

スミス都へ行く(1939年製作の映画)
4.1
今から80年も昔の映画。にも関わらず今の時代にも通じるテーマを扱っている事に驚きましたし、2時間ひたすら会話劇なのに飽きさせない。
フランク・キャプラ監督の真髄を見た気がしましたね。

田舎から来た純粋な若手上院議院のスミス。その彼が政治の汚い現実を知り、打ちのめされるも、汚職を告発しようと捨て身の戦いを挑むドラマ。

今も昔も政治の現場の裏側にいる大物が、マスコミも含めたあらゆる媒体を掌握し、世論を操作しようとする。
今のようにネットも何もない時代。世間はマスコミの流すものに食いつきやすい風潮だったからこそ、昔の方がこういう傾向にあったんでしょうね。

世間知らずでただの駒扱いで議院になったスミスも、この現状を打破しようとするも空回り、糾弾され、自らの無力を嘆き、何度も辞めようとする。

それでも彼を支え、励ましたのは秘書。
彼女の存在が物凄く輝いてましたね。影のMVPでしょう。

そしてラスト30分の議会の場での大逆転劇。魂を削るような思いで、必死の演説をするスミスの努力が報われた時、観客側も秘書の安堵と同じ気持ちになれます。

同じ監督主演の「素晴らしき哉、人生」には少し及ばないものの、見応えは抜群のクラシック名作です。
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