ミサホ

KCIA 南山の部長たちのミサホのレビュー・感想・評価

KCIA 南山の部長たち(2018年製作の映画)
4.5
イビョンホンすごい。
こんなにいい役者さんだとは…ただの
アイドル役者じゃないね。

さて、本作。
実話だけにぐいぐい引き込まれる。超縦社会、ちょっとしたシーンに序列やその時の立ち位置が分かって当事者の心情を思うと心が痛い。

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2022年8月16日 再鑑賞した。
改めて観ると、この作品のもつ凄みや哀しみがよく分かる。
差し込まれる音楽の使い方も効果的で非常に完成度の高い作品だ。

韓国映画の底力には全く恐れ入る。

イビョンホン演じるキム韓国情報部部長が、実質No.2の地位にありながら、警護室長のクァク にその地位を脅かされ、大統領暗殺を画策するまでに至る経緯を描く。

権力抗争とは、側からみればなんとも馬鹿馬鹿しいように映る。当事者はただ単にその権力が欲しいのか、それともある程度の地位でなければ変えられない社会の何かを真摯に追い求めているのだろうか。

この暗殺はキム部長の権力争いのなかでの疑心暗鬼が発端と言われている。確かにそのようにも見えるが、純粋に18年続く独裁政権を終わらせる、そして、変革を望む市民の声を代弁する行動だったような気もする。

ラストの圧巻の暗殺シーン、血溜まりで足を滑らせて転ぶ演出なんかは見事だし、これがこのあとの韓国の歴史を“転覆”させることを示唆しているようにも感じた。

朴大統領を演じたイソンミン、前情報部部長パクを演じたクァク ドウォン。
素晴らしい役者陣と作り上げた重厚且つ緻密な本作は、まさに韓国映画のレベルをおよそ到達出来ない域に引き上げた類稀なる作品である!
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