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KCIA 南山の部長たちのZiseのレビュー・感想・評価

KCIA 南山の部長たち(2018年製作の映画)
3.7
1人の男が大統領暗殺という決断に至るまでをねっとりと描いた2時間。本作もまた韓国現代史映画の名作。 


「ソウルの春」を劇場で鑑賞して、見直したくなり再鑑賞。ソウルの春に直結する朴正煕暗殺事件を描いた作品なので、ソウルの春を鑑賞前に本作を観るのがオススメです。

内容としては、中央情報部長を演じるイ・ビョンホンをとことんいじめ倒し、溜めに溜め込んだ怒りをいつ爆発させるのかと、ワクワクしながら眺める映画です。じゃあ怒りを爆発させるまではつまらないのか?というと、そんなことはなくポリティカルスリラーとしても十分高品質な映画です。(スパイアクションではないのであしからず)

でも、やっぱり終盤に史実通り朴正煕暗殺のシーンがあり、そこが最高です。1時間40分の間溜め込んだストレスを、パワハラ上司である大統領と、ムカつく権力競争の相手である警護室長にぶつける瞬間はスカッとすることまちがいなしです。

一方、その先にスカッとしない歴史が待ち構えているため、是非その先は「ソウルの春」をご鑑賞ください。歴史はそんなに甘くはなく、トップを殺しただけで全ては改善されず、民主化には時間がかかることを思い知らされます。
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