仁

シン・ウルトラマンの仁のレビュー・感想・評価

シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)
2.9
ここ数年で最も失望した作品。最も。

シンゴジと同じアプローチをしても仕方ないのは分かるがあまりにもファンムービーに寄りすぎている。ていうかこれ、映画なん??映画の体をなしてますか?イタめの二次創作総集編でしょ。

きっついアニメキャラみたいな台詞回し&奇をてらった寒いカメラワーク&ゲロ吐きセクハラ描写で開始10分と経たずに真剣に観るのを止めた。特にセクハラ描写が本当に制作側の神経疑うレベル...誰かこの映し方はマズイとか、言わはらないんですか?

カメラワークもねぇ...完全に「空想」を描いてるからシンゴジみたいにカッチリした画だと浮いちゃうんでしょうけど、それにしたって何もいけ好かない深夜ドラマみたいな撮り方せんでも...。これで実相寺リスペクトとか言われても、全くそうは思わない。『ラブ&ポップ』の頃の庵野秀明のモノマネ。あれはインディーズ作品だったからハマってたけどメジャー作品でやられると恥ずかしい。

ただ僕の少年時代はほぼウルトラマン(と仮面ライダー)で構成されていたので、嬉しいファンサービスはたくさんあった。以下、羅列

・開幕ウルトラQ
・最初しわくちゃAタイプの顔で出てきた!
・まさかニセウルトラマンが出るとは...
・本物vs偽物の取っ組み合い、原作そのまま
・フジ隊員巨大化(でもこれは嬉しくない)
・居酒屋の会話メトロン星人チック
・ゾフィー...ゾーフィ!?!?!?
・当時の児童書誤植ネタ、ゾーフィ爆誕
・マジでゾーフィはマニアックすぎる
・そう、最初のゾーフィはトサカ黒いんです
・2時間でゼットンまで来ちゃったよ
・ゾーフィとマンの会話、完全再現
・モーションアクターに古谷敏!

オタク全開ですいません、こんな感じに部分部分で興奮はしてました。前半で映画好きとしての自分を封印して、一生懸命ウルトラ少年の頭に戻してようやく後半はそれなりに落ち着いて観れた。山本耕史のメフィラスがハマり役で彼の場面だけが癒しだった。てか山本耕史のおかげでギリ映画が持ってる。あぁ、あとあの終わり方は結構すき。これだけ好き勝手やったんだから変に良い話風にまとめるより潔さがある。

『シン仮面ライダー』は本当に...お願いします。樋口真嗣のせいだと思わせてほしい。期待値がウルトラの比じゃないんです。特報見た感じ完全に『式日』のテイストで、組織ではなく個人を描く仮面ライダーのスケールに絶対マッチしてると思う。
仁