浪川リオン

シン・ウルトラマンの浪川リオンのレビュー・感想・評価

シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)
3.8
IMAXしか勝たんわ。本当に。

以前同スクリーンで『TENET』を見たときも感じた事だけど、没入感が半端じゃない。最初、IMAXの性能をお披露目する為に流れる短い映像があるのだが、その場面で宇宙が映る時、本当に宇宙空間に投げ出されたように思えて感動と同時に恐怖心を抱いてしまった。

一度IMAXで映画を見てしまうと、以降どれほどの大スクリーンで見ても若干の物足りなさを感じてしまうほどには迫力が群を抜いている。「諸刃の剣」という言葉の意味をスクリーンで思い知らされる事になるとは……

いい加減『シン・ウルトラマン』について書くか。
一言で言えてしまう事なんだけど、映画冒頭からスタッフロールが流れ終わる瞬間まで、終始総監修庵野秀明によるウルトラマンへのこれ以上は物理的に煮詰められないジャムのような高濃度の『好き!!!』を口に放り込まれている… というか全身に叩きつけられているような感じで、終始言いようの無い幸福感がありました。

「(スペシウム光線を発射した後の)大気がプラズマ化している… 一体どれほどのエネルギーが…!?」とチームの科学者(オタク)が驚くセリフやら、禍威獣(怪獣)の正体やら、質量感を感じる戦闘の描写やら…… とても書ききれないほどで、映画の至るところに「また見たい」「この世界に浸りたい」と思わせてくれるようなシークエンスがあった。
居酒屋のシーンとかもう、本当に好きすぎる。

そして同日午前に『シンエヴァンゲリオン劇場版𝄇』(←の記号、変換で出てこなくて不便過ぎる)を観た上でのコメントだけど、完全にエヴァンゲリオンを卒業できた庵野秀明氏の晴れ晴れとした伸びやかさを感じられたのが本当に嬉しかった。
今これほどの好きのごった煮のような仕事をしているのはこれまで長い間『エヴァ』に取り憑かれ苦悩してきた事への、ささやかな報酬ではないのかなと思い心の中で祝福を捧げていました。勝手に。

当レビューではその庵野秀明氏への祝福を込めて最高評価以外あり得ません。異論は受け付けます。(聞き流すけど)

(追記)あと主題歌。本当に素晴らしい。これを大スクリーンの音響で聴くのも楽しみな事の一つだった。『怪獣の子供』の時も思ったけど米津玄師は本当に素晴らしい主題歌を作る、そして歌う人だなと思う。

パンチラ回数:0(暫定)
(コマ送りしたら監督も認識してなさそうなチラが有りそうな場面が4度ほど)