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シン・ウルトラマンのKEiGOのネタバレレビュー・内容・結末

シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

変身願望。多くの男児が通る道である。変身願望の叶え方は多様だ。実際に腰へベルトを巻き、自分自身が変身するも良し。画面の中の隊員がアイテムを空にかざすのに自己を投影するのも良し。しかし、ここ10年で変身願望を叶えてくれる“ヒーロー“は日本ではなく海外にあった。“ヒーロー“は日本にいたはずなのに。我々の原点は、そう、特撮にある!

いやぁ、とても面白かった…!!!
正直言って自分は特撮だと仮面ライダー派。ウルトラマンはコスモス世代で、初代〜80までは軽く知っている程度のにわかだ。故に『ウルトラマン』シリーズのバックグラウンドは専門の方に筆を譲ろうと思う。

そんな自分の心を震わせてくれたのは、作中に部分的に織り交ぜられたメッセージだ。
作中の地球は今の日本のように感じた。自らが享受する平和が何者にもたらされているか無関心な大衆。ウルトラマンという特異な存在に甘えて、外敵に内側を蝕まれていることに気づかない政府。平和はタダじゃない。さぁ、何を犠牲にそれを掴むのか考えろ。
メフィラスのストーリーからそんなメッセージを受け取った。「くぅ〜これがやりたかったのか!」痺れた。一方で『シン・ゴジラ』の方が良かったと言う人も少なくない。それはそうなんです!シン・バースの立て付け上、一発目でコケる訳にはいかなかった。だから徹底して無駄を省いて要素を詰め込んだ『シン・ゴジラ』は面白い。対して2本目の『シン・ウルトラマン』はテンポを落としたように感じる。しかしその分、少し制作陣がやりたいことが見え隠れしてきた。となるとより一層楽しみなのは『シン・仮面ライダー』だ。『シン・ウルトラマン』で日本人にこのメッセージを突きつけた以上、3作目でいったい何を見せてくれるのか、何を伝えてくれるのか。楽しみでならない。

人間は幼い。だからこそ人間には可能性がある。そんなポジティブなメッセージも残した本作。我々はウルトラマンの期待に応え得る存在なのか。自分自身に問い続けねばならない。
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