敢えての“昭和レトロ感残し”なのか、現代を舞台にスタイリッシュに生まれ変わった「シン・ゴジラ」に比べると、妙な不自然さや古さを感じる。
特に俳優たちの演技が、非常にわざとらしく見える(悪い言い方をすると、「下手に見える」)のは、当時の特撮物の登場人物たちに対するリスペクトなのか、それともヒーロー物ゆえにどうしても劇画的な台詞回しが多くなり、現代劇として観ると結果として生まれてしまう違和感なのか(特に長澤まさみの演技が引っ掛かった)。ただ、山本耕史のメフィラス星人はハマり役。
新しい解釈はもちろん含まれているものの、「シン・ゴジラ」ほどの新しさは感じずオリジナルへの意識が強いように見え、“シン”シリーズとしては、どこか中途半端なように感じた。