Moi00039

銀魂 THE FINALのMoi00039のネタバレレビュー・内容・結末

銀魂 THE FINAL(2021年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

3回観に行って、3回目は副音声を聴きながら、笑いと泣きのジェットコースターを体験した。
初回は絵柄に馴染めず最初は違和感があったが、原作も2年後あたりから顔の陰影が細かく描かれて劇画タッチになっていたから、その原作のイメージを映像に反映させたのかもしれない。
この映画は原作の途中から始まるにもかかわらず、ほぼ原作通りのストーリー展開で、かつ原作の空気を壊さずに、うまくまとめ上げられていて、戦闘シーンも何もかも素晴らしかった!!
まず導入が原作の遊びを上手く映像化していた。ドラゴンボールを片手に〜という桂のセリフがアニメーターの紹介になっていたのにはめちゃくちゃ笑った。謀海賊漫画の作画も入り、これぞ銀魂!という掴み。
あのギャグからシリアスにどう入っていくのかと心配になったが、ギャグ→戦闘→シリアスという流れで全く違和感がなかった。空知先生のストーリー作りの上手さを映像でも見せつけられた気分。
この映画の紹介YouTubeやいろんな記事を読んでいても、とにかくアニメーターの方々の魂のこもった編集や作画に心を持っていかれっぱなしだった。DOESさんとSPYAIRさんの挿入歌を入れる場所も最高にマッチしていて、耳も目も至福の極みだった。
銀さんが新八神楽と再開したあとに、普段の衣装になって戦い始めるシーンの銀さんの目!!あれはもうファンを殺しにかかっているとしか思えない。
そして高杉を斬るシーン。あそこを音抜きにしたスタッフさんたちのセンスにまず脱帽。そしてぐっと堪える銀さんの表情の描きこみに、高杉への長年の想いがものすごく込められていて…感無量。原作でも思ったけれど、ここで銀さんが高杉を斬れるのは、きっと新八と神楽、歌舞伎町の人たちと出会ったからなんだなとわかり、けれどもあの表情で斬らないいけない銀さんがもう可哀想で仕方なく、ここから先はずつと涙で画面が歪んでた。
高杉が死ぬシーンは、アニメでありがちな死ぬ間際までペラペラ喋るということもなく、高杉の顔色がどんどん悪くなるところに真実味があった。死ぬ直前に桜と屋台船で銀さんと語るシーンに切り替わた造形は芸術のいきだった。
この作品の良さを語ろうと思うと、語るに落ちるという言葉に落ち着いてしまいそう。
こんなにシリアスとギャグがミックスされていて、それでも説得力のあるストーリーを書ける空知先生は本当に天才鬼才だし、その原作の空気を一切壊さずにアニメ化し続けたアニメーターの方々の感性と努力にも尊敬の念しかない。
この映画から銀魂を知って、原作ファンが増えればいい。銀魂は最高。最高オブ最高。
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