命を賭した伝令に瞠目せよ
戦争映画は重苦しさだけが残りダレることが多い印象で敬遠していたが、
全編ワンカット風撮影による臨場感溢れる今作で、目を見張る映像表現と息をつく暇もない展開に、ただただ圧倒された。
手に汗握り、2時間があっという間に感じた戦争映画は初めて。
迷路のような塹壕から始まり、戦場に放置された夥しい数の死体やそれに群がるネズミや蛆虫、そんな現場の臭いが漂ってきそうなほどのリアルさが戦争の恐ろしさや人間の愚かさを物語る。
一方で時折の場面展開で登場する、廃墟に聳え立つサクラや緑豊かな広大なロケーションが"戦地"になってしまったことに気付かされ、平和ボケした自分でさえ、その没入感からか身につまされる感覚を覚えた。
冒頭の
この任務は2人だけですか？
との主人公の問いに
将軍のアンサー
Down to Gehenna, or up to the Throne, He travels the fastest who travels alone.
開幕から緊迫感、鳥肌もの。
物凄く濃密だが、これがたった1日の出来事であり、その中での生と死のコントラストがまた見事でした。
