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1917 命をかけた伝令のNinjaのネタバレレビュー・内容・結末

1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

かなり単純明快で面白い。
戦争映画だが、2時間興味を惹きつけ飽きさせないジェットコースター映画。

木陰で目覚めるシーンからはじまり、木陰に腰掛けるシーンで終わる対称性が美しく、強いメッセージ性を感じる。途中途中にも印象的な樹木が区切り区切りに登場し、擬似的なシーンの区切りをもたらす。特に二度登場する桜にはハッとさせられた。

川に流されるシーンでは、流されているのは男だが、オフィーリアの有名な絵画を思い出した。(パンフレットで主演俳優がオフィーリアの映画に出演しているのを知ってより関連性を感じてしまった。オフィーリアも観てみたい)

川に流される時も流木につかまり、シーンが変わったなと印象付く。そして精も根も尽き果てた主人公の元に桜の花びらが流れてくる。そして主人公は再び力を振り絞って使命を果たしに再出発する。このシーンは泣ける。

市街地で出会う女性と赤子とのシーンもかなり意味深。女性と赤子のために持てる食料と、貴重なミルクを渡す。ジャンブリーズの詩?おとぎ話?もどういう意味があるんだろうか。聖母マリアとイエスを想起する穏やかな二人だった。

難しいことはわからないが、主人公はここに留まることもできたが、それでもなお前進することを選び、使命への意思を表す。ここでも女性が「Trees」と言って、進むべき道を示す。重要なシーンだと思う。

他にも大隊の人数1600人とか、主人公の妻子の話とかポイントとなりそうな所は多数ありそう。

まとまりのない感想になってしまった。
1カット風だが意図的にチャプターを設けているので、かなり見やすい映画だと思うが、それでも二時間ガッツリ集中して観てしまってとても良い意味で疲れる映画だった。

お話には関係ないけど、こういう映画では仕方ないことかもしれないが、ドイツ兵が悪く描かれ過ぎてて気になった。ドイツ軍を悪く描くのは政治的にそうせざるを得ないとしても、助けたドイツ兵が友だちを刺すなんてシーンはあんまりだ。でも映画脚本的には彼の人の良さを決定的に印象付けつつ物語から退場させるこれ以上ないくらい良いシーンだけど……。ナチスを徹底的に痛めつける『イングロリアスバスターズ』でもドイツ兵をこんな描写はしていないような。
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