生き急ぐ主人公の危うさと激しさをルカ・マリネッリが実に見事に魅力的に体現している。貧しくとも希望に満ちた輝く日々。変わらぬ現実。焦りや怒り。富や名声を得て失った輝き。彼の望んだものは何だったのか。変わりゆく姿。変わらぬ強い眼差し。ずっと見つめていたかった。
映像の美しさとか。その独特な質感とか。物語に深みを与える人々との関係性とか。色々と素晴らしい作品。でもそれ以上にルカ・マリネッリの存在自体が素晴らしくて。全てが絵になる。当て書きされたかのように主人公そのもの。彼に見惚れてるだけで129分があっという間だった。
