ウニ

マーティン・エデンのウニのネタバレレビュー・内容・結末

マーティン・エデン(2019年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

作家ジャック・ロンドンの自伝的小説の映画化。60年代風編集なのが面白。
ロミジュリ的境遇をガリ勉で克服、地位逆転して見えた彼岸が普遍的。全体的にヴィスコンティ感ある。ヴィスコンティフィルターで見るとめちゃめちゃいい。

ww1開戦前のイタリア。貴族が没落。工業化と都市化で貧富の差が拡大。共産主義ブームなど、時代背景が興味深い。

主演が、イケメン!光GENJIの大沢樹生さん的なイケメン!スクリーンに映えるクッキリ顔。貧しいシーン、成功して退廃し病むシーン、どっちも良かった。ヴィスコンティがアランドロン主演で撮った「若者のすべて」のよう。そう、あのロッコ!ロッコの美しさの中の孤独な瞳が重なる。

途中から意気投合する貴族の金持ち爺様の夜遊び、ガチのイタリア貴族感あってうっとり。ヴィスコンティ感。「山猫」違うか。一方憧れのお嬢の方は、新興中産階級かな。本当の貴族はノブレスオブリージュだけと、ブルジョアは自分の損得勘定的な描かれ方がしびれる。

独学で古今東西の知識を身につけていて、人間動機って大事と思いつつも、知識が増えると社会構造が見えてくるわけで、無力感と絶望感という近代の悩みがしみた。つらみ。

シネスイッチ銀座、超快適。
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