かのドレフュス事件の映画化、しかも自身もユダヤ人であるロマン・ポランスキー監督作品、期待大で鑑賞。
面白いのはドレフュスの冤罪を追求してゆく主役のピカール大佐が決して清廉潔白な正義の味方に描かれていないキャラクターの深さだ。
反ユダヤ主義であり、不倫までしているが仕事へのプライドは高い。
それが偶然にドレフュスの冤罪の可能性を見つけ、以後様々な軍部の妨害を受けながらもそれを遂行してゆこうとする姿に胸が熱くなる。
また決してキレイに解決して大円団でないビターな結末にも逆に人間味溢れるモノを感じる。
ラストシーンに描かれるようにドレフュスとピカールは必ずしも通じ合う間柄に描かれていないところも深いですね。ここは胸打たれました。
フィックスを基準にした落ち着いたキャメラも良い。