全編モノクロで助かった。時代も場所も知らされぬまま描かれるひとりの少年の地獄めぐり。別府か。
ヴェネツィア映画祭では上映中に退出者が続出したとのこと。ひたすら美しい映像で綴られる無情の残酷。
ホロコーストから逃れるためひとり田舎に疎開するひとりの少年。逃げても逃げても「異物」として迫害される究極の地獄。とはいえ描写こそエグいものの見方によってはコミカルに見えないこともなく、物語としては数あるホロコースト題材の作品の中で精神的ダメージは少ない方かも知れない(個人の感想です)。
全9章に分かれていることもあり169分の長さはまるで感じないものの筆舌に尽くしがたい作品。