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異端の鳥のmyjstyleのレビュー・感想・評価

異端の鳥(2019年製作の映画)
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これは「愛が地球を救う」と歌う日本人には作れないし、想像さえできない世界です。ペンキを塗られた鳥が放たれ仲間の元に向かいますが、仲間は異物と見做して集団で攻撃し殺してしまいます。ショッキングです。でも、それ以上に、秩序が壊れたときに人間が見せる醜くさの方がショッキングでした。ユダヤの少年を演じた子役がリアルで迫真の演技でした。少年は奇跡的に父親と再会します。でも、既に3人も人を殺しています。PTSDどころじゃない。無事社会に復帰できるでしょうか。帰路のバスで車窓に自分の名前を書きます。これが復帰の兆しであればいい。偽善の入り込む余地のない魂を抉る作品です。
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