叡福寺清子

ハリウッド 1969 シャロン・テートの亡霊の叡福寺清子のレビュー・感想・評価

2.9
襲撃三日前からの日々を,シャロン・テート目線で描いた本作.基本となるアイデアはテート本人が事件の一年前に,事件の事を予言していたともとれるインタビューです.そのためか,作中運命論がしばしば登場しますが,もし襲撃が運命で決まった事ではなく,選択によっては位事実とは異なる結末,ありえたかもしれないもう一つの結末を迎えたのではないか・・・が全面に押し出されます.ですが,その手前のジャンプスケア満載ホラー風味が邪魔をしまくった結果,思弁的試みが見事にかき消される残念作品に仕上がってしまいました.欲張りなんですよ,両方味わおうなんて.

そんな作品ではありますが,唯一の収穫がシャロン・テートの友人であり,事件の被害者の一人アビゲイル・フォルガーの中の人リディア・ハーストさん.気の強そうなお顔立ちは大好物.身長170cmはちょっと物足りませんが,それでも私より高いんですから文句はいいません.生い立ちに関しては,本作を調べている過程で知識を得ましたが,そのまま映画にしてもいいんじゃないかしら.当然本人役で登場しますよ.この業界もネタがないんだから,一考くらいはしてもよさそう・・・ってか大人の事情で映画化されていないのかしらね.