prisky

一人っ子の国のpriskyのレビュー・感想・評価

一人っ子の国(2019年製作の映画)
4.3
いま観終わったばかりで、心を揺さぶられすぎて憔悴し、泣きすぎて頭が痛いので、改めてレビューを書き足すかも。

家畜のように病院に送り込まれて中絶や不妊手術を施された妊婦、罪滅ぼしのように不妊治療に取り組む、かつて不妊手術に加担した助産師、医療廃棄物として不法投棄された赤ん坊、孫を食肉市場に捨てて見殺しにした祖母、国の施設によって米国と中国で引き裂かれた双子の姉妹、、、
彼らのおもいを想像して、涙が止まらない。
くるしい。

中絶や不妊手術を行った者が称賛され、捨てられて死ぬしかない赤ん坊を拾って施設に渡していた一家が逮捕される。「一人っ子政策最高!」が政策廃止後は「二人っ子最高! 老人を支えよ!」にそっくりそのまま差し替えられたプロパガンダ番組。矛盾だらけ。

監督がアメリカに住んでいると聞いて、「カトリック教徒がこの状況を知ったらどう感じるだろう? 中国はなんて恐ろしい国だと思うに違いない」と思った。しかし、ラスト近くで「女性が自分の体を自由にできないという点で同じだ」とあった。そのとおりだ。

「仕方なかった」では済まない。
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