イ

マリッジ・ストーリーのイのレビュー・感想・評価

マリッジ・ストーリー(2019年製作の映画)
3.8
大事にしたいのに大事にできない。
大事にしてほしいのに大事にしてくれない。気づいてもくれない。
伝えたのに伝わらない。
聞いたのに教えてくれなかった。

そんなすれ違いが詰まっていて、愛があったのに、終わらせなければいけない辛さがあった。
小さな問題であるはずなのに、どんどん大きな傷になって、埋められなくなって…
背を向けたくなる程に苦しいから、それならばいっそ終わらせることにしたはずなのに、周りがもっと苦しめる。
お金のことなんか気にしていないはずなのに、周りはその事に執着する。

本当はもっともっとシンプルなはずなのに、色んなことが難しくさせていく苦しさが描かれていたし、愛しているし愛したかったこともよく分かる。
苦しさに気づけなくなる前に向き合って話すこと、理解しようと努めることの重要さを改めてしみじみと感じた。
終わりから見ているから、ここまで酷くなる前にどうにかできなかったのだろうかと思わざるを得なかった。
愛があって、お互いが大事だからこそ尚更感じた。
きっと、どちらも悪いしどちらも悪くない。現実の関係って大体そうなんだと思う。だからこそ、分かり合うために言葉を介して丁寧に対話をするべきだと、改めて自分のポリシーを守りたいと強く思った。

切ないし、苦しいけれどきっと彼らは彼らなりの形でお互いを愛し、子供のことも愛していくんだろうなぁ。

あと、純粋にアダム・ドライバーはカッコイイしスカヨハは可愛い。どっちも好き。
イ