このレビューはネタバレを含みます
まるで自分たち夫婦と重なり、心をぐっと捕まれました。
弁護士が言っていた言葉が印象的。
「母親はいつも完璧を求められる。
なぜなら聖母マリアが完璧な母だから。
それに対して、父親はどんだけダメ親父でも許される。
キリストの父なんか、そもそも姿を現していないし、種すら与えてない。」
子育てにおいて、
母親は聖母マリアのように無償の愛を与える機会が多く、それが負担にもなるが、その分、子は母親に懐き、父親にとっては寂しかったりする。
父親は、社会での生き方を教えていく役目があるとすると、やはり夫婦セットでいたからこそ、親子3人のバランスが取れていた訳で、
父と子がマンツーで会っている所に調査員が来ても、やはりギクシャクした親子にしか見えないのが父親の世知辛いとこだなぁ、と痛感。
繊細な表現、映像、光、音楽、人物像、食べ方まで…
静かながら、心が揺さぶられる、素敵な作品でした。