絵本を朗読してもらっているような浮世離れした作品でした。
もはや"面白い・面白くない"の規範に嵌めてはいけないような神妙さがあります。
随所に映されるシンメトリーな構図、パースという概念が生まれる前の宗教画のような平面的な画作り、台詞と被せたナレーション、これらが劇中の"模造感"を引き立たせていて、観客がこの作品(=神聖なもの?)へ没入することを許さないというか、不思議な壁を感じました。
この作品は、ストーリー云々というよりも
色合いやマテリアル、画面の構図や衣装・小物使いを見るものだな、と思いました。