なんて地味で静かな映画。精神病の医者とその妻、妻の乳がでないので、雇われた乳母の話。なんつっても撮影が素晴らしい。冒頭、病院の庭の樹から、ボタボタと患者女性が下りてくるカットはドヴジェンコのズヴェニゴーラを思い出す。
冒頭、汽車、馬車に乗って移動する医者の室内の横顔のカットと、その背景で起こっている動乱のギャップがよい。政治とは切り離された個人の普遍的な映画であることを暗示したカット。
広場のシーンも、アンゲロの旅芸人の記録のように、誰もいないとこに、共産主義の赤旗の集団が狭い路地から押し寄せてくるとことか、ゾクゾクってくるよ!