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ラスト・クリスマスのmiumiuのネタバレレビュー・内容・結末

ラスト・クリスマス(2019年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

ポール・フェイグ監督作品ということで楽しみにしていたやつ。
ストーリー原案と脚本に参加しているのが、主人公の母役のエマ・トンプソン。(エマ・トンプソンのパートナーのグレッグ・ワイズもストーリー原案の1人。)
ポール・フェイグ監督は脚本には参加していないからか、いつもの毒やキツめな笑い&皮肉は控えめ、クスクス笑えるロマコメだった。
そしていつもながら画面がカラフルでお洒落、加えてクリスマス映画だから煌びやかでうっとり。

そしてこれ、ドラマ部分がめちゃめちゃ良かった…!
ネタバレなしで観た方がいいよ、とSNSで見かけて感想なるべく読まないようにしてGO!
確かにネタバレNG案件。そして途中でストーリーの仕掛けに気づいたとしても、そこが本質ではないから気にせず観よう。
せっかくクリスマス映画で12月に公開しているのに、公開劇場少ないのもったいないな…!


歌手志望でオーディションを受けながらロンドンのクリスマスショップで働くケイトと、街中で偶然出会ったトムのラブストーリー。

ケイトが結構なトラブルメーカー、演じているのがエミリア・クラークだからキュートだけどこんな子が友達にいたら困るわ…
でも話が進むにつれてケイトの抱える事情が明らかになってきて、トムと会ったことで変化する様子も描かれて好感度アップ。
トム役のヘンリー・ゴールディングは終始優しい笑顔が素敵。


(ここからちょっとネタバレします)
ポスターだけ見るとベタなラブコメっぽいけれど。
移民問題やLGBTなどの多様性の問題、ホームレスを中心にした貧困問題も盛り込みつつ、笑えて泣ける展開にした贅沢な作品だった。
他者に寄り添い目線を合わせることの大切さ、周りのひとに親切にすることの大切さを説く、いかにもクリスマス映画らしい広義のラブストーリー。

小柄なイメージのエミリア・クラークと、モデル経験もありスラッとしたヘンリー・ゴールディング、結構な身長差があるはずなのに、トムがケイトに語りかけるときはちゃんと目線をケイトに合わせてくれるんだよ…!
中盤でその演出に気づいてからは、ずっと泣きながら観てしまった。
シンプルな演出だけどめちゃめちゃ心に刺さった。
最初はホームレス問題なんて他人事だったケイトが、彼らの目線に立ってシェルターでボランティアを始めるくだりとか、もう笑い泣きしながら観てた。
ラストも最高に暖かくて、笑いながらボロ泣き。
「ラスト・クリスマス」の歌詞がストーリーにぴったりで、そこでも号泣。
(個人的には歌の内容も予習なしで観た方が、新鮮な驚きがあっていいと思った)

ワム!の音楽以外にもジョージ・マイケルの曲がふんだんに使われていて、ファンなら堪らないんだろうなあ。
ジョージ・マイケルは通らずに来たんだけど、これを機に聴いてみようかな。

※作中にホームレスを支援するシェルターが登場、Wikipedia情報によると、ジョージ・マイケルも生前、シェルターで密かにボランティアしていたそうで。
だからストーリーに盛り込んだのかな? 

(追記)
パンフレットによると、ホームレスの話題を取り上げるのが、ジョージ・マイケルから提示された映画化の条件のひとつだったらしい。
その他にも英国の社会情勢がふんだんに取り入れられていて、見応えあった。
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