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バーナデット ママは行方不明のYLxxのレビュー・感想・評価

4.2
ケイトブランシェット×リンクレイターがこんなハマるとは。
日本ではかなり公開が見送られずっと待っていた一本。これを見る前にNetflixにてリンクレイターの半自伝的作品「apollo 10 1/2」が公開され、さらには既に海外の映画祭では最新作の「Hit Man」も発表され始めている中やっとのことで日本公開。米国での評価と興行収入の少なさがもろに出た感じか。見てみるとこれがまた安定した面白さ。「30年後の同窓会」「6才の僕が大人になるまで」「バーニー」等の2010年代以降のリンクレイター作品の締めに相応しい出来栄えで、(「エブリバディ・ウォンツ・サム」「apollo10 1/2」は性質上別枠と考える)リンクレイターの中でも入門として人に勧めやすい作品。
インタビュー形式の演出に登場人物の罵り合い等の要素、そして人物をなめるカメラは、普遍的で笑って泣けるこのおかしな家族の物語を確実にリンクレイターの作品として成立させている。
天才だがダメダメな両親と将来に悩むティーンの娘。南極を目指すことで家族やママ友との問題を解消していくケイトブランシェットの姿を見て、これはリンクレイターが作る「よりもい」ではないか!と叫びたくなった。