ごんす

Redのごんすのレビュー・感想・評価

Red(2020年製作の映画)
3.8
幼児性を体現した間宮祥太朗演じるシン君が最高だった。
妻のハンバーグはお腹いっぱいと断ってマミーの煮付けを食べながらマミーと晩酌しながら談笑。
そして画面がスパッと切り替わり妻に下半身の世話をして頂き喘ぐシン君の顔のアップになるシークエンスは見事。

接待で来た店の肉が最高で妻にも食べさせたいという優しいシン君は「豆腐食べて」と言いながら「やっぱりここの肉最高だな」と高級肉に舌鼓を打つ。
うわこいつ肉ばっか食ってね?と思うと「春菊もいいや」とボソッ。
フード演出が冴えている。
また仕事を始めたいと言う妻には「えっ?働く必要ある?」とそこから説明するのか…という地獄。

再び仕事に就きやりがいをもつ妻をひょんなことから責めてしまった後など「俺も色々考えたんだけど…」と切り出し反省したのかなと観ていて少し安心した瞬間「やっぱり仕事やめた方が良いと思う」でまた地獄。
間宮が非常に整った顔でシリアスな表情をするのがどこかおかしかった。
さらにシン君の暴走は止まらず子供がもう一人欲しいと言い出す。
やめてーだしタイミングも今言う?だし「俺、一人っ子で子供の頃つまらなかったんだ」など理由も小2レベルでまた地獄。
彼もきっと良い所はあるのだろうが、話が通じないというか映画内では主人公とは最後まで完全に言語が違う人だった。

肝心の妻夫木&夏帆の愛の物語も悪くなかったのだが間宮祥太朗が良すぎて印象が薄くなってしまった。
一人の女性が自分の人生を自分で主導権を持って決めるという物語は筋が通っていて見応えがあった。
主人公の母を演じた余貴美子も非常に良いアクセントになっていて「好きなように生きなさい」というのは伝わったし終盤の夏帆が泣いている自分の子を抱きしめるシーンも母からもらった言葉を伝えているようにも見えた。
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