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マトリックス レザレクションズのkazataのレビュー・感想・評価

2.0
我が家に初めて5.1chのDVDプレイヤーが導入された時の思い出話ですが、部屋の四隅にスピーカーを配置して記念すべき一発目に鑑賞したDVDが『マトリックス』でした。例の"イナバウアー弾丸避けシーン"で効果音もグルグル回っていたのを覚えていて……"5.1ch効果"を存分に満喫できたのは後にも先にも『マトリックス』だけだった気がするってぐらい大好き!
(その後、当時は有線だったこともあって四隅にスピーカーをわざわざ配置するのが億劫になり、すぐに全スピーカーがモニター&ウーファー周りに集結したままになっちゃった挙句に、時が経って5.1chサラウンドシステムごとお別れしちゃったわけだけど…これってあるあるですよね?笑)

そんなわけで、思い入れの強い『マトリックス』の正式続編が復活するとのことで、イマイチ記憶に残っていなかった『〜リローデッド』&『〜レボリューションズ』を見返した上でレザレクションしてきました!
(どっちもたぶん公開年に劇場鑑賞して以来の鑑賞だったけど…『〜リローデッド』は「あれ!?意外と面白いじゃん」と評価アップで、『〜レボリューションズ』は「うん、昔も今も別に…だわ」な低評価は変わらず)

続編で失望した思い出が強かったので、本作もかなりハードルを低く設定して臨んだんですが、、、「こんなマトリックスなんて誰も望んじゃいねーよ!」な低クオリティな二次創作って印象でフィニッシュでしたね。


(以下、不平不満を語る上で若干ネタバレしています↓)


まず、物語面。
存在論的な哲学がテーマとしてあった1作目の興奮と、そっから恋愛話にシフトしていった挙句に「グレート・リセットじゃい!」と強制終了させた(ように思えた)続編の「う〜ん…」状態から、再びワクワクできる物語なんてそもそも作れるのか端から疑問だけども……なんだか"マトリックス教"の盲信的な信者向けの物語(としても色々と雑だし粗い気もするが…)でしかなかった、かな。
(なんか各キャラが延々と状況説明をしているだけと言うか…)
(「見たことある!」な展開の連続で「何でもかんでもデジャヴで済まされると思うなよ!」って言いたくなると言うか…)
(メタ的な面白さがある作品だから"マトリックス"自体をメタ的に扱うのはわかるんだけども、ライアン・レイノルズ的なコメディセンスも皆無だし、「無理矢理でも続編作らなきゃいけないんすよ!」な内輪ネタと言うかワーナー批判を長々と見せられてもさ…ニヤニヤはできても映画として楽しくはない!)
(なんかゴチャゴチャ説明してたけど、身体を蘇生させなければならない理由がよくわからん!精神だけのキャラもいるわけだし…)

次に、技術面。
「スゲー!」と単純に驚き、大興奮することができた"キラーカット"満載の1作目に比べて……本作では「こんなことできちゃうんだ!」的な興奮が一切なかったのが大ショック、よね。
(戦闘アクションもカーアクションも1&2作目より"見せ物感"が劣ってない!?)
(ガチ系アクションシーンは『ジョン・ウィック』シリーズの足元にも及ばないし、歌舞伎の"大見得"的なカットもついに見られず、ひたすら昔の焼き直しばかり!)

結論としては、
他の監督に任せた方がまだ面白くなったんじゃないの!

一応キャラ設定とキャスティングが同時代的な進化と言えなくもないが、(過去作を振り返って改めて気づいたことだけど…)そもそも『マトリックス』って昔から多様性が尊重された配役だった=その意味でも先進性があった作品だったから、まぁ最新作が女性優位なのも当然っちゃ当然の流れかと。

"羊みたいな人間"(「悲惨な現実を知ることよりも、その現実から目を背けて生きる方がいい」と思う人々)へのディスや皮肉をもっと膨らませて描いてくれても良かったのに……
(映画業界への皮肉に比べて社会情勢への皮肉が圧倒的に弱い!)

何と言っても、現実世界の住民が(ゲームに限らず)フィクションとかエンタメと無縁な暮らしをしているっぽいのが超不満!
ってか、娯楽の無い現実なんて自分だったら絶対にイヤだ!!
(マトリックスとは別次元で娯楽の重要性は描かれても良かったんじゃないかな…)
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