kazata

カモン カモンのkazataのレビュー・感想・評価

カモン カモン(2021年製作の映画)
3.5
ついつい見逃しがちなマイク・ミルズ監督作。
映画好きの同僚から激推しされて背中を押されたおかげでウォッチしましたが……いや〜、なかなかにハートウォーミングな作品で、ウルウル&しみじみしながらの鑑賞でした。

なんとなく自分の今の境遇がホアキン・フェニックス演じる主人公に重なる部分があり、「ある日、甥っ子や姪っ子の面倒を一人で見なければならなくなったら…」なんてことも想像できたので、よりグッと共感&感動できたのかも。

(家族間であろうと)「人と人とは本当の意味で分かりあうことはできない」し、だからこそ「理解しようと対話をすることが大事」だと日頃から思っているんで、本作で描かれているメッセージには100%同意できますね。
(「録音を聞き直す=過去を振り返って考える」ことが「成長=未来」に繋がっていく…って辺りもサラッと表現されていて良き!)

ここから先は好みの問題なんだけども……
どうしても作品のルックやテイストからアルフォンソ・キュアロン監督作『Roma』が思い出されてしまい、それと比べると本作は言語に頼り過ぎな面が目立つかな。もっと"絵としてグッとくるシーンやカット"があれば大絶賛できたのに、惜しい。

例えば、おじさんと少年が仲良くなっていく過程でフード演出を取り入れたり、少年が録った音源を作品に取り入れたり(=共同作業)するような"映像で関係性の変化を描く"ショットがあったなら大感動できたはず。
kazata

kazata