山本Q

マトリックス レザレクションズの山本Qのネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

仕事がキャンセルでIMAXに間に合った。
ワーイ



思っていたよりも面白かった。
3部作のファン向けボーナストラックと言う感じか。
映像は面白いし新たな試みもあった。今続編を撮ったのはやりたい映像表現があったからだろうか。後は、2人のお伽噺に決着をつけたかったとか。

世界は前作の続きなので、復習した方が楽しめると思う。過去作映像そのものもふんだんに流れるくらい。余りにも何度も見すぎているので、前作を知らない人が見たらどうなるかな想像もつかない。

内容は前作を一本に凝縮したような感じで、密度は高め。初見の用語もバンバンでてくるが考えてる間も無いのでスルー。
映像は相変わらず面白い。
冒頭、ビビットカラーヘアのアジア系のあの子のせいかよりサンバーパンク感があって良かった。あのテイストで、ニューロマンサーとか作ってくれないかな。
キャスティングを新顔で揃えたのはよかった。

モーフィアスの登場シーンはテンションが上がった。
数ある魅力的なキャラクターを勝ち抜いての再登場はメロヴィンジアン。面白かった。

鉄砲の音や船のぶううんと言う音もイメージは変わらず。マトリックスぽさは健在で。あのテイストで世界がまた味わえるのはファンとしては幸福だと思う。






以下ネタバレあります。

今回の主人公は過去にマトリックス(というゲーム)をヒットさせたクリエーター。という設定で必然的に監督ラナ・ウォシャウスキーとイメージが重る。そう考えると、前作から引き続き登場したのが預言者や導くものモーフィアスでは無くトリニティである理由はトリニティが監督自身(ラナ・ウォシャウスキー)だからなのかもしれない。そう考えるとこれまた何とも切なくなる。
自分の生きている世界に違和感を感じ、自身を信じて赤いカプセルを飲み本当の世界へ飛び出すネオ。そこで出会う女性が「あなたは私が信じているから救世主だ」と揺るぎない確信で肯定するからこそ自分のアイデンティティを保つことができたネオ。
という関係性は、マトリックス撮影時の監督ラリー・ウォシャウスキーが抱えていた自身の葛藤に重ねて想像すると、自分の才能に疑念を持つラリーを自身の中のラナが信じて作っていたのだろうか。
ネオとトリニティが引き裂かれる辛さとお互いを必要としている強さに心が動かされてしまう。

そんな関係性がレザレクションズではネオよりもいち早く自分を取り戻し覚醒するトリニティがネオを支えるようになるのも面白い。映画の中にトリニティが救世主並みの力を得る理由は描写されていないが、2人が一心同体なことは描かれている。
ラナになったウォシャウスキーの撮るマトリックスではネオとトリニティは同等の存在。とやかく言う奴には顎が外れる蹴りも入れられる。

もうウォシャウスキーのマトリックスは見れなそうだけどそれでよかったと思う。
とうことでほっておくと会社が勝手にマトリックスを作っちゃうので、成仏させるために続編を引き受けたラナ・ウォシャウスキー。
マトリックスの続編としてもよかったし、映画としても面白かった。
次回作がどうなるか楽しみ。
山本Q

山本Q