“朝のナパームの匂いは格別だ。”
空爆に加え、頭がおかしくなるほどの予算と時間を投下したマスターピース。IMAXで上映してくれて、ありがとうございます。
ワルキューレの騎行を鳴らしながらベトナム人を殺しまくる映像はショックすぎて涙が止まりません。
残忍性による恐怖も感じつつ、同時にこの地獄をなぜか「美しい」と感じてしまうシーン。
「戦争ほど美しいものはない。」とはよく言ったものです。
だけどこの戦争はいったい何のための戦争なのか?
劇中でフランス人たちがアメリカ人に問うこの「無意味な戦争」について深く考えさせられました。
(そもそも「意味のある戦争」なんて存在するの?)
2020年、殺し合っていた社会主義ベトナムと資本主義アメリカが経済&軍事的にも手を組む時代に。
よりいっそう、あの戦争で死んでいった人たちは何のために死んだのかわからなくなってきました。
若者たちが狂い、殺し合い、サーフィンをするために一帯を焼き払う。
とにかく人間の狂気を凝縮した今作。
キルゴア中佐のインパクトがとにかく強すぎて、マーロン・ブランド、マーティン・シーン、デニス・ホッパーが霞んでしまいますね。