フジタ

街の上でのフジタのネタバレレビュー・内容・結末

街の上で(2019年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

【2023#023】
2021年1番好きだった映画『街の上で』が再上映してくれたので2年ぶりに鑑賞。大学生から社会人に、自分の環境とか社会的な立場は当然変化したが、2年経っても名作はかわらずスクリーンにあった。そして本作を”よい”と思える自分も確かに存在していた。

東京という成長性をとくに求められる地において自分のやりたいことをやり、緩い対人関係を築いている主人公の青(若葉竜也)は改めてすごいなと思った。彼にも色々あるだろうが、そのテンポ感のままで居てほしい。

関西弁の中田青渚大優勝映画でもある本作。2023年だけでも『だが、情熱はある』や『らんまん』などいくつかの作品で素晴らしい演技を見せてくれたが、この時から原石は光り輝いていたんだな。





ーーーー以下、2021年のレビュー ーーーーーー
【2021#010】
 下北沢の古着屋でバイトしながら暮らす荒川青(若葉竜也)の下北沢での日常を描いた物語。バイトしながら本読んで、たまにはふらっとライブに行って、デートもして。何の変哲もない彼の日常が、学生の自主製作映画への出演依頼を受けて、ちょっと変わる...?

 今年まだ10本しか見てないけど、「2021年観た映画5本の指」に年末になっても入っているだろうなと思えるほど良かった。
 物語に共通する「成長」という要素。その話が冒険モノであれ、恋愛モノであれ、友情モノであれ、「成長」は含まれる。でもこの話はどうか。まったくと言っていいほど「成長」はない(エヴァのシンジくんレベル)。それでもこの話が面白く、心に残るのは今泉監督の力量と演者の演技力の凄さの象徴だと思う。

 そもそも、観ようと思ったのは主演の若葉竜也、古川琴音、成田凌という、朝ドラ好きにはたまらないキャスティングに惹かれたから。新宿のミニシアターでたまたま見かけて観ねば!と思ったのを覚えている。
 若葉さんと成田凌の会話のシーンが、『おちょやん』の小暮さんと一平じゃなくて、作中における荒川と間宮になっていて、スゴいなと思った。城定イハ役の中田青渚の演技も良かった。(この人、中学聖日記に出てたんだ)

 劇中で成田凌が「映画に大きいも小さいもない」と言っていたけど、それをしっかり体現してて鳥肌。

 キャッチコピーは
"誰も見ることはないけど 確かにここに存在している"
フジタ

フジタ