Liaozhaipi

街の上でのLiaozhaipiのレビュー・感想・評価

街の上で(2019年製作の映画)
3.5
会話の熱量とか、きまずさとか、噛み合わなさとか、配慮とか、そこにいろいろな飲食物が意味ありげに絡んできて、そうした空気感を醸し出しています。
とにかく、誰かが、何かを口にしながら話をする様子が続いていきます。

よくある日常系の映画かと思ったけど、恋バナ20分の自然なシーンから5人が鉢合わせるコメディシーンまで、針の振れ方が大きいはずなのに映画として不自然さがないのはすごいです。
アドリブというか、敢えてあまり演出入れてませんよーって演出をしながら、かえって違和感すごくて浮いちゃう作品も多いですし。

こういう映画はだいたい2.5だったけど、そのような人と人との空気感の映像化がすばらしかったので、+0.5しました。

ーーーーー追記ーーーーーー
会話の綾、主人公が元に戻るようで戻っていない円環構造、街の美しさ、そして特に食べ物を通した物語の進展というこの監督の個性が一番出ている気がした。よって+0.5します。

映画自体がメタ物語になっていて、派手ではないけど確かにそこにある誰かの物語が演じられていく。楽屋としては気まずかったイハの家が二人だと急に輝くように、随所にスポットが機能する。とても見応えのある映画。
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