ウメミヤ

街の上でのウメミヤのレビュー・感想・評価

街の上で(2019年製作の映画)
3.8
前半はかゆい!
この映画がかゆいというより、もとより下北沢という街の精神性がかゆい

サブカルの街・下北沢では、教室の隅で本を読んでいた人間が真ん中で生きている。
彼らの話題や行動が、目を背けたい私自身の自意識の贅肉に無理やり目を向けさせて体の内側がかゆくなる。

二人で白い布を広げるシーン。
それまでワンショットで映ることのなかった、画面のサイドにいた城定イハが画面の中心にくる。白い布がレフ板として機能し、居酒屋や路上では翳りがあった彼女の顔をくっきりと見せる。
ドキッとした。このカットで、荒川が城定の方を初めて見たことがわかる。
それまで脇役だった城定が一気にメインキャストに躍り出る。
このシーンのあとすぐに二人は余所余所しい敬語から徐々にタメ口に変わって、距離が縮まっていく。
ひとつのカットが決定的に大きな役割を果たす。そのマジックに感動する。

雪と間宮が話している時、それぞれのビールの残り具合の、その差。
カットが映し出す距離は、人と人の立ち位置だけじゃない。

心地の良い間の悪さが心くすぐる。
音楽のタイミングもきもちがいい。

女性の行動を男性の願望充足的に感じてしまう。今泉力哉作品の常だが。

若葉竜也がすこぶるかわいい!
演技が下手な演技が上手い!
ウメミヤ

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