このレビューはネタバレを含みます
ずっとあなたと話してた
独りぼっちだったけど
どこにいてもあなたと話してた
このセリフを聞いて涙が抑えられなかった。
居ない誰かを浮かべながらその人と話し合うのは、気持ち悪い僕だけの悪癖だと思っていた。
ベルリン・天使の詩といい、PERFECT DAYSといい、ヴィム・ヴェンダースの映画には恐ろしいほど深く孤独に肉薄する瞬間がある。
ヴィム・ヴェンダースが小津安二郎のフォロワーであることをひとときも忘れさせない凄まじいこだわりの宿った画の構図が続いていく。
心震えるショットばかりで、感嘆が漏れるほど気持ちがいい。
画は状況の説明ではなく、関係と距離の表現であることを思い知らせてくれる。
ジェーンとハンターが再会する時、ハンターが前髪をかきあげる。ジェーンと同じ癖。
それにしてもハンター役の子、演技だということを忘れるくらい演技上手い。
配信されているものと、2024年5月のリバイバル上映とで字幕が違ったので、だいぶ映画の印象が変わった。
リバイバル上映の字幕はいかにも洋画のセリフって感じ。
配信版の方が好きだな。
視聴3回目